緑内障手術
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緑内障は、加齢とともに増加していきます。目の中は「房水」という液体が循環することでほぼ一定の圧力が保たれ、正常な眼球の形が維持されています。 この圧力を「眼圧」といいます。一般的な緑内障は、この眼圧が高くなりすぎることで視神経に障害が起こり、視野(見える範囲)が狭くなっていく病気です。
初期の段階では、病気に気がつく人はほとんどいません。 かなり病気が進行しているのに症状に気がつかないこともよくあります。 何も治療をしないでいると、徐々に視野が欠けていって、日常生活に支障をきたします。
分類
原発開放隅角緑内障
房水の排泄路である線維柱帯(せんいちゅうたい)が目詰まりを起こすことで目の中から房水が出て行きにくくなり、眼圧が上昇します。このうち眼圧が20mmHG以下の正常範囲にあっても視野障害が進行する緑内障が「正常眼圧緑内障」といいます。
原発閉塞隅角緑内障
房水を排泄する経路のひとつである隅角が狭くなり、房水が流れにくくなるため、眼圧が上昇します。
このタイプの緑内障で眼圧が急激に上昇するのを、「急性緑内障発作」といいます。
続発緑内障
何かほかに病気があり、それが原因で起こる緑内障です。
先天緑内障
先天的に隅角などに異常があるタイプの緑内障です。
眼圧が高いため、生まれた直後から眼球が大きくなる異常(牛眼)が起こることもあります。
治療
薬物治療
ほとんどの緑内障を治療するときの基本は薬物療法です。1種類の目薬だけで効果が不足するときは、複数の目薬を併用することもあります。緑内障の治療薬は眼圧や体の状態によって使い分けられていますので医師の指導に基づいた治療を行うことが重要です。
レーザー治療
虹彩(目の茶色の部分)にレーザーで小さな穴を開けて、房水の排泄を促進する治療法が代表的なものです。主に閉塞隅角の緑内障の治療に使われます。
またレーザーを使用した他の治療法としては、房水の排泄路である繊維柱帯に照射することで房水の流出を促進方法もあります。
手術療法
薬物療法やレーザー治療を行っても視野障害が進行してしまう場合には手術が行われます。
最も一般に行われるのはトラベクレクトミー(線維柱帯切除術)という手術で目の内から外へ房水排出のバイパスを作成することによって、 眼圧を下降させようとする術式です。最近人工的なデバイスを使って房水排出バイパスの成功率を上げる方法もあります。
手術後の通院について
手術後は翌日ご来院いただき、症状によってその後の来院日程が分かれます。
房水の出口である線維柱帯を切開するトラベクロトミー(線維柱帯切開術)も房水の流出抵抗を下げて眼圧を下げようとする方法です。 手術は局所麻酔にて、30分から1時間ほどとなります。ときに手術によって視力がよくなるのではと期待される方がいらっしゃいますが、緑内障の手術は視機能を改善させるわけではなく、あくまでも眼圧を下降させて視機能の悪化を防ぐことが目的です。
低侵襲緑内障手術―水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術
白内障手術と同時に行い、白内障手術の小さな切開口から房水排出バイパスを挿入し、低侵襲な手術で眼圧を下げ、術後の炎症も少なく日帰り手術が可能になります。